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執筆者の写真acimajp

どのような場合にターゲット言語のネイティブ話者を翻訳に起用するべきか。

更新日:2023年1月31日




翻訳サービスを必要とする企業担当者様は、ターゲット言語のネイティブ話者が翻訳者を担当することが重要なのかどうかについて、疑問に思われることがあるかもしれません。確かにネイティブ話者を起用するメリットはありますが、非ネイティブ話者の方が良い場合もあります。


ここでは、ネイティブ話者を起用するかどうかを決定する際に考慮すべき点をいくつか挙げてみたいと思います。


1. 翻訳の目的

ネイティブ話者を起用する主な理由の1つは、ターゲット言語の文化的・言語的ニュアンスを正確に翻訳に反映させるためです。マーケティングキャンペーンなど、文化的な配慮が重要な翻訳であれば、ネイティブ話者のほうが適している場合があります。


以下はその例です。


マーケティング資料:マーケティング資料:ラテンアメリカの読者を対象としたマーケティングキャンペーンを日本語からスペイン語に翻訳する場合、対象読者の文化的規範や嗜好に詳しいスペイン語のネイティブ話者を起用することが重要な場合があります。例えば、ネイティブ話者であれば、非ネイティブ話者には理解できない口語体や俗語をより正確に翻訳できる可能性があります。また、対象読者を混乱させたり、不適切と思われる文化的引用やイメージを特定できます。


法律文書:法律文書を日本語に翻訳する場合は、日本の法律文書で使用される特定の用語や書式に精通している日本語ネイティブ話者に依頼することが重要であると言えます。ネイティブ話者であれば、複雑な法律用語も正確に訳し、日本の法律上の慣習に沿った書式で文書を作成することができます。


ウェブサイトのコンテンツ: フランス語圏の読者向けにウェブサイトをフランス語に翻訳する場合、コンテンツが正確かつ自然に翻訳されていることを確認するために、フランス語のネイティブ話者を使用することが重要な場合があります。ネイティブ話者であれば、慣用句や俗語、その他の言語特有の要素など、ネイティブ話者でない人が翻訳した場合に失われる可能性のあるものを正確に翻訳することができます。また、対象読者を混乱させたり、不適切と思われる文化的な言及やイメージも特定できるかもしれません。







2. 原文の複雑さ

原文が高度に技術的または専門的である場合、ネイティブ話者であることに加えて、その分野の専門家である翻訳者が最適な場合があります。なぜなら、彼らは翻訳される用語や概念について深く理解しているからです。


例えば、以下の分野の翻訳はターゲット言語のネイティブ話者であり、更にその分野の専門家である翻訳者の起用が重要と言えます。


医療関係の翻訳:医療文書を日本語からスペイン語に翻訳する場合、スペイン語のネイティブ話者であるだけでなく、医学または関連分野のバックグラウンドを持っている翻訳者を起用することが重要な場合があります。これにより、翻訳者は複雑な医学用語や概念を正確に翻訳し、正確かつ対象読者に理解しやすい翻訳を提供することができます。


金融関係の翻訳:同様に、財務関連の文書を日本語から英語に翻訳する場合、英語のネイティブ話者であるだけでなく、財務や会計のバックグラウンドがある翻訳者を起用することが有益な場合があります。このような翻訳者は、金融用語やコンセプトを正確に翻訳することができ、正確かつ対象読者に理解しやすい翻訳を提供することができます。


技術的な翻訳:技術的なマニュアルや説明書をフランス語から英語に翻訳する場合、英語のネイティブ話者であるだけでなく、当該技術分野のバックグラウンドを持っている翻訳者を起用することが重要な場合があります。これにより、翻訳者は専門用語や概念を正確に翻訳し、正確かつ対象読者に理解される翻訳を提供することができます。







3. 翻訳者のスキルや経験

ネイティブ話者であることに加え、翻訳者のスキルや経験を考慮することも重要です。経験やスキルに乏しいネイティブ話者よりも、高品質の翻訳実績があり、複雑なプロジェクトにも対応できる翻訳者の方が、より良い翻訳ができるでしょう。


例えば、以下のようなスキルや経験を確認されることをお勧めします。


特定の業界で翻訳した経験がある:ファッションブランドのマーケティング資料を翻訳する場合は、ターゲット言語のネイティブ話者であるかどうかにかかわらず、ファッション業界での翻訳経験がある翻訳者の起用を検討することができます。業界経験のある翻訳者であれば、業界特有の用語や概念を理解し、正確に翻訳することができるかもしれません。


複雑なプロジェクトに対応する能力:高度な技術文書や法律文書を翻訳する場合、ターゲット言語のネイティブ話者であるかどうかにかかわらず、複雑なプロジェクトに対応した経験のある翻訳者の使用を検討することができます。高品質の翻訳を提供してきた実績のある翻訳者であれば、複雑な内容でも正確に翻訳することができるはずです。


過去の翻訳の品質: 最後に、翻訳者の過去の翻訳の品質について考えてみましょう。たとえターゲット言語のネイティブ話者であっても、過去に劣悪な翻訳をした実績があれば、その翻訳者はおそらくあなたのプロジェクトに最適な翻訳者ではないでしょう。




4. お客様のお好み

当然、翻訳をご依頼者はお客様ですので、お客様のお好みも十分考慮されるべきと考えます。ネイティブ話者の使用を強く希望されるお客様もいらっしゃれば、必要なスキルと経験さえあれば、ノンネイティブ話者の起用にも寛容なお客様もいます。


具体的には、以下の通りです。


ネイティブ話者に対するお客様のご希望:文化的な感受性や、ターゲット言語のニュアンスを正確に把握する能力に特に関心があるお客様は、ネイティブ話者の使用を強く希望する場合があります。このような場合、お客様のニーズを満たすためにネイティブ話者を起用することが重要な場合があります。


内容の専門家に対するお客様のご希望:一方、翻訳の正確さや技術的な正しさを重視するお客様の場合、その分野の専門家であれば非ネイティブ話者の起用に寛容である可能性があります。例えば、医療業界のお客様は、言語の文化的感受性よりも翻訳の正確さに関心があり、医学の知識がある非ネイティブ話者の起用に前向きなお客様もいらっしゃいます。


お客様の予算に対するお好み:最後に、お客様がネイティブ話者を好むかどうかは、予算にも影響される場合があります。お客様のリソースが限られている場合、必要なスキルと経験があれば、非ネイティブ話者の起用に前向きな場合もあります。


以上の通り、ネイティブ話者の起用は、高度な文化的感受性を必要とする翻訳や、幅広い読者を対象とする翻訳には有効です。しかし、資料の複雑さ、翻訳者のスキルや経験、お客様の希望によっては、非ネイティブ話者の方が良い場合もあります。プロジェクトの性質や難易度などを十分考慮し、あなたのプロジェクトにとって最適な翻訳者(または翻訳者と校正者)を選択することがプロジェクトを成功に導くでしょう。




いかがでしたでしょうか?

今回は、どのような場合にターゲット言語のネイティブ翻訳者を起用すべきかについて考えてみました。

翻訳会社を選定されるうえで、ご参考になれば幸いです。



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